「C」 – 南山常盤会

校長先生から届いた「母校のいま」

2020年10月1日

【ヨセフ・ブルーノ・ダシオン校長】

「C」

南山常盤会会員の皆さん、お久しぶりです。
今回のタイトルを“C”にさせていただきます。もちろんこれはCoronaに関連するものです。今世紀最大の脅威がもたらしている心配や不安の中での学校生活を簡単にご報告させていただき、またこの状況の中で気づいた大切な価値観を私なりに紹介したいと思います。
 
Coronaと学校生活
 
2019年度、特に3学期に入ってから、新型コロナ(Corona)ウイルス感染症の問題が大きく取り上げられ、校内では周囲の動きを注意深く見ながら日常の教育活動を進めました。結果として、高校3年生の「卒業感謝ミサ」は無事行ったものの、「卒業式」はぎりぎりのところで中止の判断を取らせていただきました。その後、国と県の判断を仰ぎ、2週間の休校の処置をとらざるを得ませんでした。さらに、感染症拡大の心配が強まったため、休校処置は5月31日まで延期させていただきました。2020年度の授業は、やっと6月1日から始めたのですが、新型コロナウイルス感染の心配や不安を抱えながら授業や学校生活の中で不便が感じられていたことは確かです。それでも、一日でも多く、学校内で教員と生徒、生徒と生徒が学びあえることができるために、いろいろな対応、注意喚起を行いながら、今日に至るまで進むことができました。これは、ひとえに多くの卒業生の皆さん、在校生と保護者、教職員のみなさんのご理解、ご協力、ご支援の賜物なのです。そのおかげで、この文章を書いていた現在(9月)まで、在校生、全教職員や保護者の皆さんにおきましては、感染者がいないことを、大変うれしく思い、感謝いたしております。
 
Chaos と Creation(Creativity)
 
新型Coronaウイルス感染症は、日本をはじめ世界中の人々の生活を恐ろしいChaos(混沌)に陥れています。まさにパンデミックであり、先進国と途上国の人を問わず、だれもが、いつどこでも感染者になる可能性をもっていることが恐ろしいことであり、みんなのパニックを膨張させています。そして、もう一つの混沌状態というのは、皆さんも同じと思いますが、今年度の日程や年間行事を大胆に変えることです。以前から予定された活動や行事を赤ペンなどで消し、新たなものに書き換えなければなりません。消すだけなら簡単な作業かもしれませんが、その代わりに何かの行事や予定を考え、入れ替える作業は至難の業です。ましてや、学校の年間行事を入れ替えるのは困難の極みです。
しかし、Coronaがもたらした大ピンチは、Creation(創造)またはCreativity(創造性)のチャンスにもなります。身近な例を言えば、校内でのICT活用が、少しは前進できました。教員と生徒や保護者、教職員同士の連絡ツールとしては、「ロイロノート」や「Sway」、「Teams」、「Zoom」などのアプリが活用されています。私自身のことで言えば、今までは、「これらのツールを使わなくてもいいではないか」、「若い世代の先生がたが使えば結構なことだ」、と自分に甘えてきましたが、Coronaはそれを許してくれないわけです。有能な先生方の力を借りながら、なんとか、少しはできるようになりました(?)。
全体的に、ICT環境はまだまだ不充分ですが、進んでいることも事実です。
 
Colleagueship(仲間意識)とCooperation(協力)
 
普段の学校生活においては、もちろんこれらの二つの性質は教職員間では生きています。
しかしコロナ禍ではさらに強く感じます。特に、休校の間は、教職員全員が休むことがほとんどなく、学校に集まり、授業準備や提供を行い、また様々な対応のために会議を開き、知恵を分かち合っています。
教職員間だけではなく、この厳しい状況において、生徒と保護者の皆さんには学校の緊急処置をはじめ、さまざまな対応策へのご理解とご協力をいただいています。さらに、多くの卒業生のみなさんからも物資の支援や数々の励ましのお手紙、おハガキとメールをいただきました。このように、多くの皆さんに支えられているから、この困難を受け止め、ここまで忍んできました。心から感謝いたします。
 
最後になりますが、まだまだ先行きの分からない状況が続いています。
常盤会の皆さんの生活においても、学校の全生徒、保護者、と教職員の生活においても、神の祝福と導きを祈り、共にこの困難を乗り越えていきましょう。

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