2023年3月15日
【山田利彦国際校校長】
南山学園主催で国際校の閉校式を実施しました。
国際校卒業生の新潟教区長成井大介司教様による司式で、奏楽も本校卒業生渡部純子先生によるもので、まさに「南国生」による閉校の儀でした。
時代の要請と共に始まった帰国子女(外国人子女も含む、以下同じ)教育ですが、やはり「帰国子女のみ」で経営したことに大きな意義があったと思います。「和」を尊ぶ日本教育ですが、この「和」に入れない「外部」を受け入れにくいという弱点があることは事実です。ただでさえ転校生は異質な存在なのに、海外から来た、外国人の子女であるという特異性は帰国子女たちの居場所が非常に危ういものだったことは容易に想像できます。その彼らが安心して通える環境がどれほど貴重だったのか。それは在校生・卒業生の様子を見ていれば痛いほど分かった42年間でした。
今では帰国子女も珍しい存在ではなくなりつつあり、随時入学や編入学で入学を認める学校が増えてきたことは喜ばしいことです。日本が真の「国際化」を目指すのであれば、彼らをどのように受け入れていくかが大切なポイントとなるでしょう。
閉校式のクライマックスは校旗の返納でした。生徒会長たちが丁寧に折りたたみ、校長が受け取り、理事長へ返却する。参加者(卒業生)が「あの校旗を返納させたくなかった」と話していましたが、多くの卒業生の本音だと思います。
国際校を閉校し、南山学園は違う形での帰国子女教育を発展させていきます。他の学校がただ受け入れているだけなのであれば、それとは違う形で。そこで必要なのは「南国魂」です。
多くの卒業生・その保護者のみならず、教職員として関わった全ての方々にこの魂がやどっていることでしょう。これを体現していくことが南山学園の更なる発展につながることは間違いありません。
南山学園の今後の帰国子女教育にもご注目いただきたいと思います。