2014/05千亀 – Nanzan Tokiwakai Web
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タウンぶらぶら歩きTown BURABURA Walking

南山タウンに広告掲載されているお店や会社の訪問記

2014年5月20日

2014/05千亀

栄3丁目、東急インのある広小路七間町交差点から南に、「住吉」と呼ばれる地域に入り、西側の歩道を歩きます。最初の角手前にデイリーヤマザキがあり、その一つ手前のビル2階に「千亀」はあります。かんばんが出ていますので目安にし、ビル正面の階段を上ってください。

 
かんばん お店のたたずまい

お店の中は、落ち着いた雰囲気にしつらえてあります。
お店に入ってすぐのエリアはオープンでにぎやかですが、奥には静かでプライベートなエリアもあり、少人数の飲み会や接待にも使えそうです。

新鮮な地鶏名古屋コーチンを使用し、知る人ぞ知る有名店で修業した店主の佐藤博志さん(S40)が自ら焼く焼鳥は、一食の価値あり!
一度食べて頂けば納得の味は、店主の真心と情熱がこもった味です。

またビール、焼酎のみならず、ワインの種類も多くそろえておりますので、焼き鳥とワインのマリアージュを楽しんで頂けます。
コースメニューはなく、おすすめをお願いすることにしました。
ちなみに、よくこの店に通っているメンバーによると、だいたい5,000円くらいで済んでいる、ということです。

・・串中串・・     いただきます!


はじめに、塩キャベツが出てきました。薄めの塩味と、しゃきしゃき感がのこりながら、軽く漬かったキャベツは、串焼きの合間につまむと口がすっきりし、それでいて次の串焼きの味わいに影響を与えません。
申し訳ないとは思いながら、何度もお代わりしてしまいました。

串焼きの最初は、せせりが出てきました。せせりは、鶏ののどの肉で、1羽から採れる量が少ないのですが、脂身の少ない、しっかりとした歯ごたえの肉です。これが、ほどよく焼き上げてあり、肉の味わいと歯触りが失われていないのです。
次にねぎまです。肉がやわらかく、味があります。ねぎも白い部分を使ってあり、甘みがあります。
千亀では、炭火で串から目をほとんど離さずに焼いているので、焼具合が絶妙です。焼き鳥の「焼具合」、これまではあまり気にしたことはなかったのですが、やはり火を通しすぎない方が、肉汁と肉自体の味を楽しむことができるのですね!

次は砂肝です。焼きすぎると、こりこり感だけになりがちですが、千亀では肝の食感、肝の味わいの砂肝が出てきます。
そして軟骨。軟骨は、味よりもこりこり感をたのしむものかと思っていました..。ところが!千亀の軟骨は、おいしいのです。これはたまりません!

方向を変えて、茄子と玉子。茄子は、食べ応えのある大きさで、「ちゃんと味わってほしい」と訴えているボリュームです。茄子は、焼きすぎると水分がなくなって縮んでしまいますが、中まで火が通っていながらジューシーな焼き上がりになっています。
玉子は、うずらの玉子です。黄身がとろとろで、まるで半熟玉子。茹でた玉子を串に通してから焼いているのでしょうが、黄身を柔らかめに焼き上げるには、かなり柔らかい茹玉子を串に通さねばならないでしょうから、不思議にすら思えてきます。

白肝は、レアに焼き上げてあります。臭みがないのは、肉の新鮮さと、(たぶん)塩麹のおかげでしょうか?
つくねは、大変太っています。それでも、中まで火が通っていながら、肉の味が活きているのは、炭火で一本一本手を掛けて焼いているからでしょう。

肉はもうそろそろ、と思っていたところへ、アスパラガスと長芋が出てきました。千亀の串焼きは、どのネタも「もう少し食べたかった」と思わせないボリュームになっているところがありがたいところです。その大きめ・多めのネタを、経験豊かな佐藤店主が自ら炭火で手焼きしているので、過不足無い焼き加減で提供されているのでしょう。

なにかリクエストがあれば、と言われたので、ずっと気になっていた皮を注文しました。うまく脂が落ちて、コラーゲンたっぷりの皮になっていました。ペコロスは、おすすめの続きです。たまねぎより食べやすくて、甘みもあります。

きしめん  〆はきしめんです。鶏出汁薄塩のあっさりしたきしめんで、普段から塩分を控えた味に慣れている年代にとって、絶妙な塩加減です。

・・串中串・・     一品一品に情熱をこめて

さて、佐藤さんが「千亀」を始められたのは、今から13年前の2001年の事。
神戸の大学を卒業し、輸入車販売会社のセールスをされていた、そんな佐藤さんが焼鳥屋を営むきっかけになったのは大学生の時にしていたバイトでした。

「ちょうどバブルの終わりごろでしたが、神戸の焼鳥屋さんでバイトをさせていただいてました。お店も大変繁盛していて、非常に楽しくやりがいがあった事も有りますが、何よりその店の大将がとても魅力的な方で、私自身大変お世話になり、仕事以外の礼儀作法など色々な事を教えて頂きました。その方に対するあこがれも有り、自分もこの商売がしたいと思いました。ただ、大学を卒業してそのままこの仕事をするのではなく、社会勉強をする為に一般の企業に就職し、その後この商売を始めようと決めていました」
そして大学卒業後2年半お世話になった会社を退職し、本格的に修業を始めました。
修業先は名古屋の有名店である「万亀」さんでした。
「当初はバイト時代の経験も有ったので、1年で修業を終え独立するつもりだったのですが、実際にお世話になると今までとは全く違う事ばかりでした。それで、ここでしっかりと3年半修業させて頂きました」
その後、お店をオープンし今日に至ります。
店名の由来は修業された「万亀」さんから「亀」の字をいただき、千は字画を判断し、末長く繁盛する事を願いつけられたそうです。

そんな佐藤さんの学生時代の思い出は何と言ってもサッカー。
「学生時代は勉強そっちのけで、サッカーに熱中していました。当時顧問であった谷上先生のおかげで親の理解も有り、自由にサッカーに打ち込めた楽しい学生生活でした」
今回、お邪魔した際も金曜日の夜という事も有り、お店は大繁盛で満員状態。
そんな時でも佐藤さんは他の方には任せず、自ら注文された品物を焼き上げていらっしゃいました。その姿は真剣そのもの、お話をするのも憚られてしまう位でした。
一品一品に情熱を注ぎ、仕込みは朝早くから始め、閉店まで手抜きをせず仕事をこなす佐藤さんの焼鳥是非一度お試しください。

なお、お店はいつも混み合っていますので、ご来店の際は、予約して頂くのがお勧めです。

住  所:名古屋市中区栄三丁目1-19ソフランビル2F
電話番号:052 – 262 – 4848

(取材・撮影:大河内、樺)

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