2019年4月27日
メルマガ137号「こんなところに同窓生」では、映画監督としての石丸みどりさんの映画作りについてをご紹介しました。
メルマガ139号では、地域プロデューサーとして、映画を制作した後、その地域に何が生まれ育っていくのかを更に掘り下げて、地域の活性化をプロデュースする石丸さんご自身に、その活動の一端をご紹介いただきます。
石丸さんからのメッセージです。
岐阜県恵那市の岩村町を舞台にした映画「みつけもの」は「女性がつくるまちづくり」をテーマとし、映画の中で、女城主の人生や人物像に感動した主人公の女子大生が自分の進む道を見つけて力強く生きていくストーリーにしました。
すると、それまでまちづくりに消極的だった女性たちが、女城主の人物像やメッセージを知り、その後、積極的におもてなしをする女性団体が2つ生まれました。また私自身も映画以降、リアルキャラとなって、観光客に女城主のものがたりを伝えています。
高浜市の映画「タカハマ物語」では、「熱い鬼たちが住む町」をテーマとし、伝統産業を支える鬼瓦職人「鬼師」と若者とのふれあいを描き、鬼瓦の魅力や鬼師という職業に光を当てたストーリーとしました。映画以後は、鬼師のブランディング・デザインに取り組み、鬼師の前掛けをリメイクしたトートバッグを障害者の施設で縫製し、販売しています。
鬼瓦協会も積極的に PR活動を始め、新しい商品開発なども積極的にされています。
長久手の「未来へのとびら」では、「地域の食べ物が人をつなぐ」というテーマで、「ふるさとフードフェスティバル」を開催するストーリーとしました。地域の特産品や歴史、文化などを取り入れた食品やメニューが、ワークショップから生まれ、映画用に制作し、その中から商品化を目指しました。そして生まれたのが「血の池タルト」です。
製造は障害者施設に依頼し、高浜のトートバッグと同じく障害者の方の活躍の場づくりと社会参加の機会づくりを考えています。
西尾の「オシニ」では、地域の特産品「抹茶」をPRするために劇中で茶摘み娘アイドルたちが茶畑で歌を歌うシーンを作り、若い世代に西尾の抹茶をPRする楽しい歌の歌詞を書きました。映画以後も、茶摘み娘たちは毎年観光客を「歌と踊り」でおもてなししています。現在カラオケ配信する準備も進めています。
このように、「映画のシナリオ」=「地域のシナリオ」と捉え、その地域の潜在的な魅力を引き出し、地域の未来につながるヒントを映画のシナリオに盛り込むことによって、地域の活性化をプロデュースするのが私の映画制作プロジェクトです。
石丸 みどりさん(G25)
ブランディングデザイナー&映画監督/一般社団法人ものがたりラボ代表理事
愛知県立芸術大学美術学部前期博士課程修了(美術修士)
愛知淑徳大学非常勤講師・愛知工業大学非常勤講師
愛知県立芸術大学非常勤講師・愛知教育大学非常勤講師
日本デザイン学会会員・日本色彩学会会員
http://com-design.info