2020年6月17日
wo東京都の支援プロジェクト「アートにエールを」に、佐藤慎一さん作成の動画「ペンキ屋宇佐美」が公開されています。
佐藤さんは会報108号や常盤会発行の『GEM2』でもご紹介した歌舞伎義太夫の鶴沢慎治さん。コロナ禍のまっただ中、この5月に公募された東京都の支援プロジェクト「アートにエール」に応募した作品が採用され、都のHPに公開されています。
●東京都のHP
「アートにエールを!東京プロジェクト」
https://cheerforart.jp/
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フリーワード「ペンキ屋宇佐見」
または、カテゴリー07「その他」でもご覧いただけます。
【佐藤慎一さん メッセージ】
先日、当欄で『演劇界』4月号のインタビュー記事をご紹介いただいて間もなく、コロナ自粛から365連休の身となり、普段できないことをやっていきました。その有様はまさにチェーホフの「賭け」に出てくる法律家そのものでしたが、ルターの名言よろしく「たとえ明日世界が滅ぶとも」自分にできるのは三味線位だなあ、と思っていた矢先、東京都で芸術・芸能家を支援する事業があることを知り、この自粛生活の総括として臨むことにしました。
「不要不急」と断罪された自分の仕事、ひいては自分の存在意義は何だろうと考えるうち、3月20日頃、歌舞伎座で無観客収録を終えて撤収する際に「これが今年の仕事納めにならなきゃいいけど」というような言葉を仕事仲間と交わした所から、1年→和風月名→在校時に古文の岡田充弘先生から習った「ペンキ屋宇佐見文花貸しし」と連想していきました。
今回動画で使いましたのは、おそらく先生が考案された「ペンキ屋宇佐見文花貸しし」で、最初の「ペ」の字を除けば、12ヶ月分の和風月名の頭文字になる。という、巷で流布しているものより、格段にイメージがわきやすい覚え方だと思います。
芸術や芸能は「生命の維持に必要不可欠ではない」が「あることでより豊かで、意味のあるものになる」というところを、月名とは関係ない「ペ」の文字という「おまけ」があることで、「睦月・如月~」の月名が、すらすら出てくる、というところになぞらえ、「学校」というテーマで作成しました。
緊急事態宣言が発令された翌日が卯月八日即ちお釈迦様の誕生日であったのも、日本人にとって何か意味があることのように感じています。
なお、動画最後のおまけのおまけで弾いているのは、チープトリックの「Clock Strikes Ten」の前奏を三味線でオマージュしたものです(笑)