vol. 97 堀江 陽平(S18)「ニューヨーク・・How Exciting City!」 – Nanzan Tokiwakai Web
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2015年1月28日

vol. 97 堀江 陽平(S18)「ニューヨーク・・How Exciting City!」

海外旅行でどこに行きたい?と問われれば、僕は即座に「ニューヨーク」と答える。
雑踏と喧噪の街、ニューヨークは大好きな街だ。

1970年から約4年の年月を過ごした街、カミさんと知り合ったのも、結婚したのも
ニューヨーク。だから、この街は僕にとって第二の故郷のように感じてしまう。
ニューヨークへはその後何度となく訪れているが、いつ行っても興奮してしまう、
エキサイティングな街。

昨年12月半ばに3年ぶりでNYを訪れた。丁度クリスマスシーズン、クリスマスウィーク
に入っている。街はクリスマスのイルミネーションで飾られ、全米はおろか全世界
からの観光客で街は溢れていた。冬のNYは寒い。日中でも氷点下の時がある。でも、
心がけがいいのか、珍しくNYは暖かでコート1枚で街を歩けるほどだった。7泊、8日間
のNY、何度も行っているので、今回はドップリとNYの街を楽しもうと、滞在
スケジュールなどは特に持たず、その日の気分で行き当たりばったりの8日間を
過ごした。

40数年前、住んでいた時のNYは、その頃は世界一の犯罪都市などと言われていた。
ベトナム戦争真っ只中の時だった。大統領はニクソン、戦争は泥沼化し、多くの若者が
死に、景気も悪く、当時のNYの不就労者は7%にも及び、街の財政も赤字、人心も疲弊
していた。麻薬中毒患者も多く、当然犯罪は多発、暗い通りは危険で歩けないほどで
あった。そんな時代であったが、僕はそれほど怖い目には遭わなかった。そのNYも
すっかり変貌し、今や実に安全な街に変わった。その功労者は1994年からNYの市長に
なったルドルフ・ウィリアム・ジュリアーノ市長である。犯罪都市から全米一の安全
都市へと、NYの浄化に成功、大きな貢献をした市長だ。その頃、NYを訪れた時、
あまりの変貌に驚いたものだ。素晴らしいと思った。でも、当時のNYを知っている
僕は、NYが牙を取られた猛獣のように感じたものである。今では、あのハーレム
だって、誰でも安全に観光が出来るようになっている。

NYの朝は早い。朝7時頃から人は動いている。フレキシブルタイムで働く人が多い
のか、早朝からやっているサンドウィッチなどを売る店には、サラリーマン、OLが
並び、紙袋にパンを入れ、コーヒーを片手にオフィスに急ぐ。仕事前に朝食を取る
のであろう。これはお馴染みの光景だ。ニューヨーカーはとにかく急ぎ足、
ストリート、アベニューを縫うように早足で歩く。男性も女性も大股でスタスタと、
それがニューヨーカー。ゆっくり歩いているのは、老人か観光客。そして、まず押し
なべて信号は守らない。左右を見て車がすぐそばにいなければ、信号が赤であろうと、
お巡りさんがいようとお構いなし。順法精神ビシバシの日本人には戸惑いがあるが、
そんなのは直ぐに慣れる。勿論、お巡りさんは、注意もしないし、何も言わない。

朝8時頃から、アベニュー、ストリートは渋滞が始まる。ニューヨークの街は碁盤の
目。それぞれ一方通行になっており、クラクションはあちこちで鳴り止まない。
けたたましいサイレンを流しながら通り抜けて行く、NYPD(NY市警)とNYFD(消防)の
緊急車の多いこと。久しぶりなので慣れるまでビックリするのだが、すぐに慣れて
しまう。スワ!事件か、スワ!火事かと思うのだけど、それ程のことでもなく、
ちょっとのことですぐに出動するようだ。お巡りさんも、あちこちに沢山見かけるが、
逆にいえば安全な街になったということだ。

8日間のNY、毎日足の向くまま、美術館、博物館、ブロードウェーの観劇、ライブなど
飽きることなく歩き回った。街並みは変わらねど、街は時の過ぎ行くまま随分変わって
いる。かつて数年間を過ごしたクイーンズの街は、中華街と化していた。中国人の
パワーに改めて驚き、感心したがいささかガッカリ。でも変わらない所は全く変わって
おらず、40数年前そのもので、その場所に立つと若き頃の匂いを感じた。ニュー
ヨーカーの憩いの場所「セントラル・パーク」などには相変わらずリスたちが
たむろし、可愛い姿で迎えてくれた。木々の間から見えるそびえ立つマンハッタンの
摩天楼群、いかにもNYらしく大好きな光景だ。

食の文化もさすがNYだ。世界のあらゆる料理が目白押し。もっとも、少なからず
最新版のガイド本にこれだけは頼ったが、食いしん坊のボクは大いに満足した。
ガイド本に「セレブ御用達の店」と謳われている店は押しなべて美味しかった。
東海岸ニューイングランド名物のクラムチャウダーは、昔同様、変わらぬ味で
美味しい。生ガキ、チェリーストン・クラム、リトルネック・クラムと称する
生ハマグリは実に美味しく、滞在中に何度も食べてしまった。これにはウォッカ
ソーダが相性抜群、1ダースなどペロリと食べられる。バーのカウンターで愛想の
良いバーテンと冗談を言いながら食べると、まさにニューヨーカーの気分になって
しまう。

そんな楽しいNYの滞在もアッという間に過ぎ、後ろ髪を引かれる気持ちで帰国の途に
着いた。「私、ほかに海外旅行しなくてもいいから、またNYに来たいわ」とカミさん。
僕も同意見だ。

(堀江 陽平さんのプロフィール)
株式会社ワキタ商会 専務
趣味 スキー、料理 (フランス料理から中国料理、日本料理まで)

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