2009/11 時計・宝飾・メガネの宇佐美 – Nanzan Tokiwakai Web
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南山タウンに広告掲載されているお店や会社の訪問記

2009年11月24日

2009/11 時計・宝飾・メガネの宇佐美

人も車も活発に行き交う桜山の交差点から南に100メートル、「時計・宝飾・メガネの宇佐美」さんは、瑞穂通りをはさみ、市大病院と博物館に対面して、創 業100年の のれんを掲げていらっしゃいます。地上7階建ての自社ビル1階の広い店内には、オメガの正規代理店として、時計は勿論のこと、ジュエリー、 メガネなどの宝飾品が、種類・価格・用途もさまざまに、豊富に、美しくディスプレーされています。

瑞穂区瑞穂通り1−4ライブ桜山ビル
自社ビル内の1階が「時計・宝飾・メガネの宇佐美」さん。上階にはピアノ・ダンス教室、塾のテナントなどが入っています。


宇佐美 太朗社長(S37)

現社長の宇佐美 太朗さん(S37)は、4代目。曽祖父にあたる初代善之助氏が、明治43年(1910年)、中区に「宇佐美時計舗」を創業されたのは、今 から99年前。曽祖父、祖父、そして父が守り継いだ この老舗の時計店を、長男として、受け継ぐのは当然と感じたのは、すでに、小学校の頃だったそうで す。

「病弱だった祖父が、現在の瑞穂通りに店を移しました。店を切り盛りしたのは祖父と祖母でしたが、ふとん店も経営していた当時、住み込みの従業員も十数人 いて、大所帯の、まるで家族のようでした。早朝から深夜まで、働く祖父母の姿をみて、いつのまにか、これが仕事なんだ!と思うようになりました。学校から 戻り、店の手伝いをしながら、漠然と、将来、この仕事をするんだろうなと感じましたね。3代目の父(現(株)「宇佐美」会長)の跡を継ぐことは、自然な成 り行きでした。」

昭和38年当時、お祖父さまとお祖母さまが切り盛りされていらした合資会社「宇佐美商店」さん。

現在の(株)「宇佐美」さん。
南口と北口、二つの玄関があります。

こうして、宇佐美さんは、南山大学経営学部を卒業後、宝飾専門商社(株式会社柏圭)に就職。5年間、宝飾に必要な知識を学びます。家業に入られたのは、今 から15年前、27歳の時でした。そこで得た手ごたえは、「不況になっても、ぜいたく品であっても、女性を美しく飾る宝飾品は、女性にとって必需品」とい うことだったそうです。けれども、モノがよく売れる時代に陰りが見えて、新瑞にもあった店舗を平成15年(2003年)にクローズします。それは、店舗を 増やすこと、大きくすることが全てではない。サービスや信頼感を手薄にすることなく、大型店やチェーン店との差別化を図り、「小さいながらも、ひとりひと りのお客さまを大切にしたい」との経営理念によるものでした。「例えば、名古屋松坂屋さんは、ご年配層。丸栄さんは、若者層と、顧客層を特定化していらっ しゃるのに対して、当店では、3代にわたるお客さまも多く、ご家族、親子連れで、よもやま話や家族の会話を愉しみながら、お買い物をされて行かれることも 多いのです。時に気づくと、恋愛相談にのってしまっていることも・・(笑) つまり、地域に密着した”街の時計屋さん”でありたい。人生相談や、道案内も する、良い意味での、”便利屋さん”でありたいのです。」

「地域に根ざす」・・これは、宇佐美さんが、学区の汐路小のPTA会長、お父さまの貞夫氏が、瑞穂通町内会長でいらっしゃることからも うかがえます。9 時半から19時半という営業時間にも、それは表われているようです。9時半オープンの「早起き」時計屋さん。周囲の商店街と歩調を合わせて進んでいる証で しょう。

「宇 佐美時計舗」創業当初から有ったという船舶用時計「マリンクロノメーター」。木箱が船の揺れから時計を守り水平に保つことで1日の誤差を1分程度に。当時 の機械時計としては驚異の精度。かつての宇佐美時計店の標準時間を守っていました。最近の中日新聞、NHKでもとりあげられました。


店内中央のホールクロック。地元の幼稚園のお子さんたちが、毎年、「時の記念日」に時計の見学に訪れて「大きなノッポの古時計」を合唱することも話題になりました。

オメガの時計、舶来のドレスウォッチなどの高級品の販売のみならず、腕時計の電池・バンドの交換、分解修理は、宇佐美時計さんの得意とされるご自慢分野。 「こまめの修理が時計を長持ちさせます。電池交換するだけでも、内部のチェックができます。」時計に愛情を注ぐ宇佐美さんならではの言葉です。

ウイークデーでありながら、切れ目のない接客とお電話に応じる宇佐美さんに代わって、売れ筋の時計、おススメの宝石、流行のメガネなど、店内の案内をしてくださったのは、女子部の卒業生でもいらっしゃるお母さまの節子さん(G9)でした。

お母さまの宇佐美 節子さん(G9)。
叔母さまの丸岡 佳子さん(G16)も卒業生という南山一家です。


愛知県眼科医指定店。日本眼鏡技術者協会眼鏡士認定SS会員の眼鏡士が検眼を行います。(写真は宇佐美社長。)

広い店内で、ゆったりと、お好みの品が選べます。


左は、軽くて癒し効果のある琥珀。なかでも、カリブ海のグリーンの琥珀は珍しい。

ソーラー&電波時計。太陽光で動くソーラー式は電池交換不要で、晴天時には約一日でフル充電。たとえ、暗闇に置きっ放しでも数ヶ月は問題ない。電波時計は、誤差修正が不要。今どきのエコ仕様です。


レンズ&フレームセット一式9800円〜(レンズは日本製)・遠近両用レンズセットは19800円〜
遠近の焦点合わせの技術向上により、フレームが小さくなった分、サイドのツルにおしゃれの技あり!

柔和で優しい物腰の太朗さんと、社交的で魅力的な笑顔のお母さま。男子部と女子部の雰囲気そのままに、実にアットホームで温かな空気が漂います。そんな太朗さんに、南山の思い出を伺いました。

「ここから南山へは自転車通学していましたが、自転車通学が禁止だった初めの頃は、重い辞書や教科書の入ったカバンをさげての徒歩通学でした。ちょうど 山崎川のあたりや、あちこちで、重いカバンを置いて、休憩したものです。ヘビが出てきたことなど思い出しますね。(笑)」

「南山は先生方が素晴らしかったですね。なかでも、一番の思い出は、佐藤静真先生です。中1と高1で担任だったのですが、高1の時、小学生だった妹が、 医療事故で亡くなりました。ちょうど、オリエンテーションの旅行の前日で、ぼくは、旅行に行けなかった。でも、旅行帰りに、同級生を連れて、お参りに来て くださったのが、静真先生でした。そして、数年前、何十年ぶりかの同期会があった時、亡くなった同級生4人のために祈りを捧げましたが、この時、亡くなっ た友人に混じって、妹の名前も、司会者が呼んでくれたのです。後できくと、それは静真先生の心遣いだったことがわかりました。何十年も経っているのに、忘 れずにいてくださった。そのことが、実に嬉しかった。真っ先に浮かぶ思い出です。」

南山の思い出、恩師への感謝を胸に、宇佐美さんは、来る2010年の”創業100周年”を司る4代目社長として、地元に根をはり、確かな時を刻みつづけていらっしゃいます。

(文 塩野崎佳子&写真 吉田久子)

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