2006年6月1日
2〜3数年、仕事とJAZZ VOCALの2本立ての生活で人生謳歌風の私でしたが、この半年は悩みと戸惑いに翻弄され、心落着かぬ日々を送っています。
げっそり(とは言い過ぎだけど)痩せたストレスの原因は、Yokoso Japanと訪日外国人増加をめざす国の動きに合せて、通訳ガイドやコミュニケーション・スキルの技術を研究する任意団体をNPO法人化したことが原因です。会員のほとんどが通訳案内士の国家資格保持者などで、第2の人生では国際交流に役立とうと志す団塊の世代の方々の入会が相次いでいます。
「素晴らしい!でもNPOの理事長なんてめんどうで大変そう〜」という気の重さは、設立直後から現実となって襲ってきたのでした。NPO化のメリットは、今までそっけなかった国や企業、業界が「あらまあ!」というくらい、きちんと対応してくれるようになったこと。(そっか、これが社会的認知っていうことだ)そしてNPOという響きが良いのか、会員数が当初見込みの2倍の3百数十名に達した事です。
しかし組織運営が不得手な私は四苦八苦です。企業経営経験があれば何とかなるだろうという考えはまさに頭からバッシーンと一掃され、「NPOよりも会社経営のほうが絶対にシンプルで楽だ!」と、ベソかきながら太鼓判を私は押したい。
(総てのNPOがそうなのではなく、私の未熟さ故なので誤解のないように。)
会員の年会費のみが資金のNPO。まだ何名集まるか読めず年間予算の見通しもたたない時期から、事務局運営に対する僅かなボランティア作業に対しても報酬を支払ってやって欲しいと言い出す人がいる。ボランティア本人は期待してないのに。
(私も無報酬でフルタイム並に動いてるんだけど…)
「NPOは利益配分しないだけで普通の会社と同じ」と企業実務レベルで考える人、
「無料奉仕で支えられるボランティア組織だ」と思う人、
「すべてみんなで決めるべき」と考える人、
「清く正しく美しい精神論」で貫かねばならぬ人、
グッドアイデアを口に出すけど実際に動くことのない人、
学校のサークル活動感覚の人、
組織内の肩書きを理由にイベント参加費用の免除を当然と考える人、
組織全体のまとまりよりも自分が目立ってかっこ良い思いをしたい人、
「こ〜んなにやってあげてるのに」と自分の物指しで貢献度をアピールする人、etc.
「エッ?!」「エエッ?!?はあ〜…」の連続。まさに多様な価値感の異文化コミュニケーション・チャレンジです。ギャップをどうやって埋めるのか…
そんなのどの社会でもあることだよって言われそう。一般企業のように営利追求が目的で立場や命令系統、権限が明確だったらどれほどやりやすいだろう。妙に仲間意識やお友達感覚があると「ありがとう、ほんとにアリガト〜」を、業務指示の度に最低3回位くり返すような丁寧すぎる?謝意表現も必要だったり、「上司から命令されてるみたいだわ」なんて反応が来て戸惑ってしまいます。(上司と同じなんだよ!)
事務所を借りる資金不足もあって、事務局スタッフの稼動時間は継続的に確保できず、その管理はジグソーパズルのように頭痛の種。やっとこの春、アウトソーシングする方向に転換中。もっと早く割切れば良かった。
現在、NPOのコンセプトが多様なので、「NPO活動なんだから」という微妙なフィルターがかかると、事が複雑になるのです。組織アイデンティティ確立途上、前途は多難。
フ〜ッ! 世の中の様々な団体、グループのお世話係の方の御苦労がしのばれました。
何が公平なのか、いや、公平でなくていいのか、「できる人ができることをやる」というフレーズがうつろに響きます。諸ルールを整えて太っ腹で心広く、何事も吸収してゆける理事長になるには何年かかるでしょうか?順調な滑り出し風のNPO活動の舞台裏は、自分個人の仕事も山積みのまま孤軍奮闘、G16のこの年で睡眠5時間が続くトホホ毎日です。
ダイエットにはNPO、NPOでダイエット、などと冗談言ってる場合じゃあなくなってきました。そろそろ腹をくくって、NPO自体をダイエットさせ、スリム、シンプル志向に向かいたいと思うこの頃です。これからはマイペースの余裕を取り戻しつつがんばるぞ〜!来年の今頃は笑っているぞ〜。
ここまでお読み下さった皆様ごめんなさ〜い。結局『新設NPO理事長の愚痴』になっちゃいました(苦笑)。
ああ、やっぱり私はJAZZ歌おうっと!ライブハウスではどんな価値観の人々も、音楽を通して一体感が味わえて、楽しく別世界に入れます。リフレッシュはこれが一番です。ライブの時は遊びに来て下さいね。
ランデル洋子
↓通訳ガイド&コニュニケーション・スキル研究会
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↓ランデル洋子のダイアリー
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