2016年12月21日
南山タウン 花の都パリからの協賛は Esprit de Paris (エスプリ ド パリ)。
安藤洋介さん(S37)が代表を務める旅行社です。
エスプリ・ド・パリ 代表 安藤洋介さん(S37) (2016・12・19 名古屋八事)
「旅のコンシェルジュ」として、パリを拠点に、フランス全土・英国・イタリア・スイス・オーストリア・スペイン・ポルトガル・北アフリカまで、旅のプランニング&ツアー・アテンドを行う安藤さんは、現在、3週間の日程で帰国中。「ツーリストが1年で最も暇な11月末からクリスマス後までの3週間ほど、毎年、日本で過ごします。春日井の実家に帰ったり、南山時代の仲間たちに会ったり。昨日も、関東在住のS37期生が集まってくれました。楽しい時間は、あっという間。もう残り1週間になりました」。
2016・12・18 関東在住のS37期生の会
2016・12・19
円頓寺の沖縄料理「サキアテジョーグー」にて
オーナーシェフの石倉直人さんと三浦吉俊さん(共にS37)
同級生がパリを訪れてくれることも多い
ニューデリー在住の小川恭広さん(S37)と
パリ郊外のゴルフ場で。
帰国中の貴重な時間にお会いできたのは、この春の会報102号「地球サイズの南山メイツ」で安藤さんをご紹介した事がきっかけ。「帰国するので会報掲載のご挨拶に伺いたい」とメールをいただき、この義理堅さに、南山タウンへのご協力を懇願。「私どもは、これまで広告を一度も出したことがないのですが、母校との絆は特別!」と 母校愛に満ちた快諾をいただきました。
「会報が出た後、同級生だけではなく、英語の松岡先生からも、サイトをたどってメールをいただきました。高校時代、英語は決して得意じゃなかったのですが、海外に出て、不思議と英語が耳に入ってきました。これが南山の強みなんでしょうか。高3の担任でもあった松岡先生には感謝していますし、同窓の仲間達とは、今もFBやLINEでつながって、帰国するといえば、誰かが会を召集してくれる。6年間の絆というのは格別ですね」
約束の八事のホテルで開口一番、「今日は、実家から、当時の通学コースで、杁中まで来ました。地下鉄を降りると、当時、『朝ゲー』と呼んで通い親しんだゲームセンターや三洋堂書店こそ無くなっていましたが、土曜の学校帰りに必ずという程、立ち寄った『喫茶ランチャ』はそのままでした。隼人池から八事まで歩きながら、懐かしくて興正寺など、写メを撮ってしまいました」。卒業後、杁中を訪れたのは2度目という安藤さんに、当時の記憶が一気に溢れだしたようです。
パン職人から旅のコンシェルジュに
安藤さんがパリに渡ったのは、男子部卒業から4年後。手に職をつけようと、東京製菓学校のパン科を経て、フランス食文化の象徴ともいえる「ダロワイヨ」自由ヶ丘店に入社。パン職人として働いていた安藤さんに、「パン修行ならフランス」というお母さまの助言がありました。家業はパンともフランスとも無縁でしたが、迷わずパリをめざします。滞在申請も銀行口座開設も、辞書片手のボディー ランゲージ。まずは、言語習得のため、標準語地域であるロワール地方に狙いを定めてアンジェ市のカトリック大学附属フランス語学校に通い始めました。その2年後、いよいよパン技術習得に向けパリへと戻ってきた矢先、転機は訪れました。
1989年、仏系旅行会社の日本部門が人材を募っているのを知った時、安藤さんの旅への憧れに火が灯ります。昔から、飛行機のエンジン音で機種がわかるほどの旅客機好きだったという旅への潜在意識が動き出したのです。「日本人男子が欲しかった」と請われて採用された職場は、顧客の半分がフランス人。出勤初日から、受付カウンターや電話の応対に追われる日々。フランス語は否応なく身に付き、大好きなパリで大好きな仕事ができる喜びに、いつしかパン職人への想いは消えていきました。
4年後、日系航空会社の子会社が設立した旅行会社で、起ち上げスタッフとして勤務。親会社からの派遣スタッフに日本流の仕事を教わったことも財産となり、8年後には独立。フリーで空港送迎や通訳ガイドを続けて1年半。徐々に顧客数は増えていき、準備が整いました。渡仏から16年め、2003年4月、トラベルコーディネート会社 Esprit de Parisが誕生しました。
企業視察や個人旅行のコーディネート&アテンド。専用車での観光案内に、ホテル・レストラン・劇場・ゴルフ場の予約手配等、 「安心」「親切」「きめ細やかさ」をモットーに、オーダー メイドの旅を提供します。とりわけ、得意分野は、ワイナリー巡り・グルメ ツアー・ゴルフ ツアー。安藤さんによれば、意外なことに、「フランスはゴルフ天国。パリ郊外には50ものゴルフコースがある」そうです。ワイン、とりわけ、泡党の皆さまにおススメは「シャンパーニュ」地方のセラー巡り。パリから150キロ。車で1時間ほどで行けるため日帰りツアーも可能。モエ&シャンドン、ヴーヴ クリコ・・淡い黄金の泡をテイスティングして、ランスの大聖堂やフジタ チャペルを巡るのも良さそうです。
英国スコットランドの名門コース「セント・アンドリュース」 ゴルフ発祥の聖地。6・7・8月の短いシーズン。予約は1年前。
エヴィアン カップ
「旅行業というのは、景気や天災などの不可抗力に左右される仕事。2015年11月のパリ市内の同時多発テロの影響は、1年経った今でも、客足の50%が戻ってきていません。実際のパリ市内は、警官の数が増えたものの、市民生活に変わりはありませんが、日本・アメリカからの観光客は非常に慎重です。テロ後も変化ないのは、爆買いする中国人くらい。フリーランスでの営業は収入面での安定も欠きますが、それでも、リピーターのお客さまが増えていることが一番嬉しいことです」
「デモやストで、スケジュール変更を余儀なくされたり、長期のツアーで疲れたお客さまがワガママになられて困ったこともありますが、フランス始め、現地の魅力を最大限に体験していただけるよう心がけています。食べものが美味しいと思うのは、やはり、日本、ポルトガル、スペイン。フランス国内でも、南仏より北が美味しいですね。ノルマンディー、アルザス、バスクなど。イギリスの上品さも好き。意外に食べ物も美味しいです」
晩秋のアルザス ワイン街道 170キロ続く。葡萄畑をぬって民家・居酒屋・ワインセラーが点在する
アルザス東部はスイス・ドイツと国境を有する
カマンベール チーズ発祥のカマンベール村を巡る
「月平均すると10日から2週間の国内外旅行のアテンド。日帰り観光も含むとそれ以上に。慣れたコースも、最新情報の入手は必須ですが、初めての地域は下見をすることも。チュニジアやチェコのプラハは、現地に飛びシミュレーションしました。 この年末は、日本から帰ると早々に、個人ツアーで、リヨン、南スペイン・アンダルシアのアテンドで、お客さまとスイス・ジュネーブで合流します。暖かい地域で嬉しいですね」
お仕事がら、奥さまを寂しがらせることはないのでしょうか?
「妻は、スイーツ ライターで、料理ジャーナリスト。フランス食文化の最新情報をグルメ本に執筆しています。『地球の歩き方』やファッション雑誌『FIGARO』。パンのプロフェッショナル向け専門誌『カフェ スイーツ』などは日本でも販売されています。今回の休み、実は、山梨出身の彼女も同時に帰国していて、東京では合流しましたが、往復のフライトは別々なんです(笑)。2008年のパリでの『ベーカリー ワールドカップ(Coupe de Monde)』で、こちらは通訳、あちらは取材記者という立場で出逢いました。グルメツアーを企画する上でも、彼女のプロとしてのグルメ情報は大きな戦力になりますね」
2010年 ベーカリー ワールド カップでの通訳
「パンは今では食べるだけ」と仰る安藤さんですが、天職と奥さまに導いてくれた幸運の鍵は、まぎれもなく「パン」だったようです。
テロや英国EU離脱など、激変の時代にあっても、安藤さんのEsprit de Parisが、普遍の価値を求めて旅する人々を益々楽しませてくださることを願います。
(取材:塩野崎 写真:安藤洋介さん)
Esprit de Paris
Tél : + 33.9.65.12.97.18
Mobile : +33.6.80.28.77.92
Fax : +33.1.45.24.00.75
Mail : ando@espritdeparis.fr
Url : espritdeparis.fr