2022/11 Restaurant Kamikura – Nanzan Tokiwakai Web
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南山タウンに広告掲載されているお店や会社の訪問記

2022年11月9日

2022/11 Restaurant Kamikura

今回は、今年2022年3月に八事にオープンされたRestaurant Kamikuraさんにお邪魔しました。
Restaurant Kamikuraさんは、昨年12月まで同じく八事にあった「ブラッセリー・ブルゴーニュ」さんが場所を移し、店名も装いも新しく始められたフレンチレストランです。

八事の交差点を南に少し下ると、「この先は私有地につき通行ご遠慮ください」という看板が。「入ってもいいのかしら?」と少し不安になりつつも中に入っていくと、「Restaurant Kamikura」という看板がかかっています。中に一歩足を踏み入れると、周囲の喧噪がうそのような落ち着いた空間が広がっていました。

Restaurant Kamikuraが入っているこの建物は約100年前に建てられたという江口邸で、元々は八事に鉄道を敷いた実業家江口理三郎氏の別荘だったとのこと。昭和初期の家らしく、洋館と日本家屋が一続きになったとても趣のある建物です。

マダムの神倉明子さん(G40)に移転のいきさつや新しいお店の特色を伺いました。

「実はこの建物には以前別のレストランさんが入っていたのが別の場所に移転され、その後、次のお店がコロナ禍もあってなかなか決まらなかったそうなんですが、たまたま大家さんが以前のお店「ブラッセリーブルゴーニュ」のお客様でいらっしゃって、「神倉シェフにやってもらいたいわ」とお声がけいただいたのがきっかけです。

お話をいただくまでは特に移転などは考えていなかったのですが、シェフの父がフレンチをしていた影響で、ゆくゆくはフレンチレストランをしたいという想いがあり、フランスへ料理の勉強に行ったりもしていました。また、前のお店は階段が多く、「なかなか行けない」というお声もいただくようになっていました。

こちらに移転したところ、すぐ前にタクシーを停められて、階段はあるものの、玄関で靴を脱いで上がってリラックスできるとお客様に喜んでいただけるようになりました。「実家に帰ったようで懐かしい」「おばあちゃんの家がこんな感じだった」と言われるお客様も多いです。

また、広いお庭があり、四季の移ろいを今まで以上に感じることができます。シェフもその影響を受けて、2か月ごとにメニューを変えて季節を感じられるお料理をお出ししています。」

秋になると紅葉が美しいお庭

「完全予約制になって、メニューもお任せコースだけという事にさせていただいているので、前のお店の時から取り組んでいるワインとチーズのご提案もよりしやすくなりました。チーズは最初からコースに組込んでいるんです。
そして、最も重視しているのは、お料理とお飲み物の組合せです。アルコールに限らず、ノンアルコールも含めて、お料理と飲み物との出会いによって、より世界が広がると思うんですね。」

「食事は旅だなと思っていて。お口取りからいただいて、さあ出発。一皿ごとにだんだん盛り上がって、お飲み物もワインならスパークリング、白から赤。メインのお料理、チーズ、デザートをお楽しみいただき、最後に落ち着いてコーヒーを飲んで、ああ、よかったねで帰っていただく。その時、お食事だけでなく、この空間、窓から見えるお庭の様子も含めて日常を離れた非日常のひと時を楽しんでいただきたいと思っています。そのためのトータルコーディネートを心がけています。」

― 歴史のある建物ということで、いろいろと気を使われることもあるのでは?

「実は、前のお店と比べてお掃除が格段に増えました。でも、これまで歴史のある建物とはあまり縁がなかったので、かえって新鮮に感じています。家が傷まないように合成の洗剤なども使わないようにしていて。窓ガラスは、今はもう手に入らない、手吹きガラスなので、特に気を使います。昔ながらに新聞紙を使うときれいになるんですよ。他にも掛け軸の扱い方など、覚えることや、することがたくさんあります」

「元々クラシックなものに対して憧れのようなものがありました。今は使うお店も減ってきているようですが、テーブルクロスやシルバーのカトラリーを使っています。シルバーは体温が伝わりやすいので、お口に入れたときにひやっとした感じがしないですし、鉄と比べて味に対する影響がほどんどないんです。こういった、わたしたちが以前からこうしたいなと思っていたことが少しずつ叶っています。もちろん、まだまだあれが足りない、これが足りないと思うことばかりなんですけど(苦笑)」

 

「ご縁あって100年続いてきたこの建物でお店をさせていただいているので、生きたお料理をお出して、お客様に『また来たいね、八事に行ったらここに来たいね』と言っていただけるお店にできればと思っています」

神倉シェフとマダムの神倉明子さん(G40)

 
 
Restaurant Kamikura
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一部を除き写真提供:Restaurant Kamikura
取材:杓谷(G28)

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