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2006年4月1日

vol. 10 林 英司(K03)「炎天下・大騒ぎ!4月のタイ国・水かけ祭りの怪」

私は南山大学法学部を2年で中退し、東南アジアの一国であるタイ国の首都・バンコクに20歳から25歳までの5年間、一人安アパートを借りて住んでいました。
ちなみに私がタイに移住した理由というのは「タイ国の国技・ムエタイ(タイ式キックボクシング)を極めたいから」という、少し常軌を逸脱した理由であったため、大学を勝手に中退した時点で、身内からは怒涛のような勢いで白眼視され、そのうえ中退した理由が「南の国でほとんど素っ裸の状態のまま人様と殴り・蹴飛ばしあう」というスポーツに全身全霊を賭けたい、という実に立派な用件であったがゆえに、我が実母などからは「親子の縁をカットしたいとおもいます」としっかり面と向かって親告された覚えがあります。

さておき、そんな私が青春時代を謳歌した「タイ国」には、世界に名だたる有名なお祭りがいくつかあります。今回はその中のひとつ4月の半ばに行われる「ソンクラーン(通称・水かけ祭り)」をフィーチャーしたいと思います。

それはタイ国の人々がその年の豊作を祝って「水をかけあう」という実に単純極まりないお祭りなのですが、問題はその「水をかけあう程度」にあります。
4月といえば日本では、寒明けて桜の花々は方々で咲き乱れ、新学期が始まり真新しい制服に身を包んだ園児や学生達、ぎこちないスーツ姿の新社会人達が、木の芽風に吹かれながら街を闊歩いたす時期。
ところが、我が心の祖国「タイ国」は、なんと4月が一年のうちで最も暑い時期、しかも社会の資料集あたりで「熱帯雨林気候」と名うつだけあって、その暑さたるや、名古屋弁でいったら「どえりゃーあちぃ!しんでまうわ!!」です。その灼熱の太陽光といったら本当に「火傷」しそうな程の代物で、故にタイ国の人々はこの時期日中あまり外出したがりません。

さて、そこで登場いたしましたるのがその「ソンクラーン」こと「水かけ祭り」です。皆さん、水かけるって、洗面器に水を張り、その水をチャプチャプ勝手知ったる仲同士で「キャーキャー」いいながら和気藹々とかけあう・・・そんな姿を想像されましたね。
甘い。実に甘いです。現実はこうです。用意されるもの?水。その種類は水道水、氷水、食紅で色付けされた水、など。?水鉄砲。?トラック。
何で?と思われた方、多々おられるかと思いますが、はっきりいって「ソンクラーン」は水を用いた『戦争』なのです。ソンクラーンの期間、タイ国の土壌は雨も降っていないのにどこもかしこも「水浸し」になります。人々は手に手にバケツや水鉄砲を持ち、老若男女問わず、初対面だろうがなんだろうが、とにかく出会い頭に水をかけあいます。
上司と部下?先生と生徒?ソンクラーンにおいて上下関係は全く関係ありません。
私は友達の女子大生が、氷水の入ったバケツごと教師の頭めがけて力任せにスローイングしている姿を目撃したことがあります。
完璧な下克上、ここに極まれり、です。

渋滞した道路に停止したトラックの荷台には、ドラム缶に溜められた水を補給源とし、数人の男達が暇さえあれば道行く人々に水をかけまくっています。デパートの中だろうが病院だろうが、祭りの勢いに飲み込まれた人々はすべからく「全身ずぶぬれ」です。ちなみに私は先ほどの「トラック水鉄砲隊」の一翼を担い、現地人と共にトラックの荷台に乗り込み、最終的には首都を抜け出して、隣の田舎町まで遠征に出かけたりしていました。

「あぁ〜、なんだか俺(私)、最近服着たまま全身ずぶ濡れになりたいんだよねぇ・・」とお思いの方、今こそ勇気を出して「タイ行き」のチケットを購入しましょう♪

* 「ソンクラーン」は4月の12〜14日の3日間、タイのお正月を祝う伝統的な歴史ある行事です。とはいっても今回のコラムに誇張は全くありません。
嘘だぁ、と思われた方。現地へおもむき、その乱稚気ぶりをとくとご覧になられる事をお勧めいたします。
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苦情に関しては今回特別に苦情受付窓口を設置しました。
宛先(と書いて責任転嫁先と読む)は南山国際高等学校・現代国語の教師S先生(私の恩師)です。決して私本人には送らないで下さい。
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