vol. 37 高木 日那子(G06)「聖書を読む」 – Nanzan Tokiwakai Web
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2008年12月16日

vol. 37 高木 日那子(G06)「聖書を読む」

 数年前、私は聖マリア無原罪修道会の創立者の列福式に出席する御恵みを頂きました。南山の卒業生でも在られる近藤雅弘神父様を指導司祭に数人のマドレ(シスター)の引率のもと、イタリアのヴァチカンへ御連れ頂きました。そのご縁から後輩のSさんとの出会いを頂き、それ以来私は彼女の魅力に引かれていきました。
 
この聖マリア無原罪修道院のマドレのおひとりが、宗教哲学者トマス・マートンの研究をされていらっしゃり、マートンの著のひとつである「聖書を読む」を翻訳されたのがSさんでした。製本前の訳文原稿を読ませて頂き、私なりの解釈でお話しさせて頂きます。
 
皆さんが聖書を読まれる時、教会の御堂やお教室或いは家の机の前でしょうか。
何となく堅苦しく考えておられませんか。トマス・マートンは芸術家を父を持ち、父の作品を見るためにあちらこちらの教会を巡る内に信仰を深め、神に呼ばれて、ついに司祭の道を選ばれた方です。
 
私は数年前ヨーロッパ巡礼に参加した折、乗り継ぎのフランスで2日間の時間があり、シテ島のノートルダム寺院に行きました。入った途端、部屋を取り巻くステンドグラスに唖然としたのを覚えています。1200年ごろ建てられたゴシック建築で一階はフランスの王家の使用人のための教会、二階が王家のための教会になっていたそうです。そのため二階は素晴らしいステンドグラスになっていました。
ステンドグラスには聖書の一場面が描かれていて、その一番下には奉納した人の職業が描かれていると神父さまからお聞きしました。その時フランスの郊外にあるシャルトルのノートルダム寺院にも行きましたが、ステンドグラスの色の美しさに心ひかれ、聖書の内容まで読むことができませんでした。ノートルダムとはフランス語で「我らの貴婦人、聖母マリアのこと」だそうです。このような方法で「聖書を読む」機会が沢山あれば、私たちは神様の存在への理解も深くなっていくのではと思っています。
 
数年前イスラエルに行った時、イスラムのドームにも入りました。そこには大きな岩が有り、アブラハムが我が子イザクを生贄に捧げたところとも言われています。
町全体に「聖書を読む」ことができます。法王さまがイスラエルを訪問された折、ユダヤ教の「嘆きの壁」にもイスラム教の「ドーム」へも行かれたことは意味深いことと感動したのを思い出しました。ロマンを求め、また行ってみたい国です。
 
今、私たち「ときわ写真クラブ」は来年の常盤会の作品展に出展するため名古屋にあるカトリック教会を撮影巡礼しています。先日も主税町教会へ伺いました。ここは百十年前、一人のフランス人の宣教師によって建てられた教会です。日本国内で二番目に建てられた歴史ある教会だとお聞きして感銘をうけました。先ず聖体訪問をして聖堂の中を撮影させていただきました。祭壇の両側の聖母子像と聖ヨゼフ像に挨拶をして座ってみると、ステンドグラスに聖書の一場面が描かれていました。
ここでもトマス・マートンの「聖書を読む」を思い出しました。親しみを持って聖書に触れることでスムーズに聖書を理解できるのではないでしょうか。
 
皆さん、教会に行かれることがありましたらステンドグラスや壁画に目を向けてみて下さい。ステンドグラスや壁画に描かれている聖書の一篇に心に響くことがあれば、それは聖書を一ページめくったことに成るでしょう。
 
冬日射すステンドグラスに聖書読む   ひなこ
 
 
高木 日那子
 
G6常盤会代議員
 

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