vol. 59 宮島 邦彰(S22)「日本の若者よ、大志を抱け」 – Nanzan Tokiwakai Web
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2011年4月29日

vol. 59 宮島 邦彰(S22)「日本の若者よ、大志を抱け」

 私は南山高校男子部を1970年に卒業しました。セントルイス大学で矯正歯科の
サティフィケィト(修了書)と修士号まで取得した後、日本で歯学博士号を取得し、
現在はハーバード大学とセントルイス大学で教授をしながら、日本では矯正歯科を
開業しています。
 
 セントルイス大学は、以前、南山大学の姉妹校であったせいか、交換留学生が
いて、南山の様子などを聞く機会がありました。両大学とも新たな大学院生が入学し
活気にあふれています。保守的なセントルイス大学は14名中、外国人は1人だけ
なのに対して、ハーバード大学は6名中5名がアメリカ国外から来ていました。
その中に、ニューヨーク大学出身の日本人と、東京医科歯科大学の大学院を出た
タイからの留学生がいたのには驚きです。日本人は、中学の時にアメリカ留学を
志し、高校を卒業後カナダの4年生大学へ進みアメリカへ来て、さらに将来の
目標をアメリカ歯学部学部長になることに置き、ニューヨーク大学をトップで卒業
したので、世界のハーバードへ入れたようです。
 
 留学を夢見て私のところに相談にくる歯科医師や学生の多くは、気まぐれかと
思われるくらい気軽に考えている人が多い中で、こんなに長期的な自分の目標を
もっている人はまれです。セントルイス大学今年2年目の日本人も、高校の時から
大学、大学院を通して、日本では英語を徹底的に、しかも寸暇を惜しんで勉強した
そうです。この両日本人留学生に共通している徹底した姿勢は、いまどきの日本人
には失われたものでしょう。思えば私も必死にこもって英語を勉強した時代があり
ました。そんな日本人のいる大学で、私が教える機会があるのもまた奇遇でうれしい
限りです。
 
 この両校の教育方針の違いは興味あるもので、ハーバード大学はやはり将来の
教育者養成に重点を置いているので、各自が論文を読み、ディスカッション中心です。
また毎日午後1時間行われる症例報告会は、専門の各科を超えた総合的な治療を行った
症例です。いつもそうですが、ここでは各科の専門家が集まり専門分野の治療を
1人の患者に行うものです。
 
 私が大学を卒業して3年目の春に、ランキャスターのクレフトパレートセンターへ
行ったときのことを思い出します。1人の口蓋裂の患者に対して外科、矯正科、
補綴科、言語治療科の専門家が、皆で成長終了までの長期に渡る治療方針を検討して
いました。この体験はアメリカの矯正歯科との刺激的な出会いでした。今は亡き
多くの矯正界のリーダーに会った無謀な旅行でした。今は2名のファイトに満ちた
日本人が、もう日本人という範疇を超えて国際人としてその基礎を固めているわけ
です。将来が楽しみです。
 
 
宮島邦彰・プロフィール
 
1970年 南山高校男子部卒業
1972年 東京理科大学薬学部中退
1978年 愛知学院大学歯学部卒業
1988年 米国セントルイス大学メディカルセンター大学院矯正科マスターコース修了 MS   
1989年 歯学博士
1992年 愛知学院大学歯学部助教授
1998年 セントルイス大学臨床教授
 
現在 セントルイス大学臨床教授、ハーバード大学客員教授、シドニー大学客員教授、
Thamassat大学客員教授、MahaSaraswati大学客員教授、桂林医科大学客員教授、
International Orthodontic Research Institute所長、アクアシステム開発者、
矯正歯科指導医
 
不正咬合でお悩みの方はご連絡ください。
連絡先;みやじま歯科医院(電話052-681-4618)
 

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