vol. 95 馬場 典子(G30)「出会いに感謝!!」 – Nanzan Tokiwakai Web
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2014年11月30日

vol. 95 馬場 典子(G30)「出会いに感謝!!」

 G30の馬場典子(旧姓:岡田)です。
 このたびコラムに寄稿させていただくことになりました。
 
 私は中高時代は目立たない生徒でした。先生のご記憶も薄いのではと思います
(苦笑)。
 そんな私ですが、学園の生活、先生方から頂いた教えやアドバイスは、私の人生の節目節目に活かされています。
 
 大学は南山大学文学部独文科へ進みました。
 一から学ぶ外国語。中途半端にはしたくないと思い、「奨学金を得てドイツ留学」を目標にしました。ご縁があって3年次の一年間を、アジア学生奨学金生として旧西ドイツのボーフム大学で学ぶことができました。当時ボーフム大学は、日本語学を主専攻として取ることができる、数少ない大学の一つでした。私はそこではじめて「外国語として学ばれている日本語」を見ることになります。そしてそれが10数年後の私の進む道につながっているとは、そのときは夢にも思いませんでした。
 帰国後は、ドイツ語をいかした仕事に就きたいと、民間会社に就職。そのとき出会った友人から「外国語しての日本語を学び(日本語学)、教育する(日本語教育)」道があることを知らされました。ドイツで見た「外国語として学ばれている日本語」の風景、そして友人との出会い。
 「出会いとは偶然でなく必然である」とはまさにこのことだったと思います。
 
 その後、仕事をしながら大学院受験を志すも、結果は出せず。でも、決してあきらめず、結婚後、専門学校の日本語教師養成講座に通い、ついに名古屋大学大学院で研究できることになりました。専門は日本語学の中の意味論。主に感情を表す動詞の類義語分析をしています。
 実はこの類義語分析(似ている言葉の類似点・相違点を明らかにする)に興味を持ったのは、何と中学2~3年の頃なのです。当時私は勉強もそっちのけ?で、詩やストーリーを書くことに没頭していました。そして「この気持ちをもっと適切な言葉で表すにはどうしたらいいんだろう?」と悩むことも多かったのです。その頃から「言葉の意味」というものに敏感になっていったような気がします。
 
 また、学部時代の専門(ドイツ文学)から全く違う言語の研究をしようと思えたそのベースには、中高時代の先生の英語の授業が大きく影響していると思います。
 私は中高6年の間に、高柴先生に英語を教えていただきました。先生は「英語は単語の意味を丸暗記することは全く意味がない。辞書にすぐ頼らず、単語をよく見て、分解できるところは分解し考えるように」と教えて下さいました。この勉強方法は、ドイツ語の勉強にも勿論有効でしたし、現在の研究においても基盤になっているように思います。
 
 大学院に進んだのが30代半ば。その後父の急逝があり、長女の出産。長女の成長が思わしくない時期が長く続きました。そんな長女がだんだん元気になり、小学校受験ができるようになったころ、母が逝去。そんな中、博論提出期限ぎりぎりで何とか学位を取得。今思うと、よく乗り越えられたと思います。「神様は超えられない試練はお与えにならない」とはこのことですね。
 
 今は娘の成長を楽しみにしながら、大学で非常勤の仕事をしています。
 そんな長女も来春からは中学生。私もそろそろ自分のことをもう少ししてもいいかな?と思っています。
 大学院の博士後期課程に進むとき、研究科長から「ドイツの大学で教えてみない?」とお話しがあったことがあります。当時は諸事情あって叶いませんでしたが、いつか機会がまた巡ってきたらぜひ行きたいと思っています。そのほかにもいろいろやりたいことはありますが、そのときどきで家族と自分にとってベストの選択ができたらいいなと思っています。
 
 一昨年6月に、G30の卒業後30年の同窓会がありました。30年ぶりに会う友人もいたのに、そんな長いブランクがあったなんて全然思えませんでした。高柴先生、高3の担任をしてくださった清川先生はじめ先生方のお懐かしいお姿も。本当に楽しいひとときでした。その後フェイスブックで連絡を取り合うことのできる友人もいます。
会を主催して下さったG30の友人、常盤会のみなさまに心より御礼申し上げます。
 
 これからもどうぞよろしくお願いいたします。
 心より感謝を込めて。
 
 
馬場典子(旧姓:岡田)略歴
 
1983年  南山大学文学部独語学独文学科入学
1985?1986年  「アジア学生奨学金」奨学生として旧西独ボーフム大学に留学
1987 南山大学文学部独語学独文学科卒業
 
1998年 名古屋大学大学院国際言語文化研究科日本言語文化専攻博士前期課程入学
2000年 同大学院同専攻博士後期課程入学
2006年 同大学院同専攻博士後期課程満期退学
2009年 学位取得(文学博士)
現在、愛知県立大学、愛知学院大学で非常勤講師。

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